OpenAIは、2018年のGPT-1から始まり、今日に至るまで、Transformerアーキテクチャを基盤にした大規模言語モデルの開発を推進してきました。
本記事では、各モデルの歴史的な進化とその構造上の改良、さらには現状利用可能なモデルの特徴と今後の展望について解説します。
初期モデルから大規模化への道のり
GPT-1(2018年)
OpenAIが初めて発表したGPT-1は、Transformerを採用した初期の試みです。大量のテキストデータを用いて自己教師あり学習を行うことで、自然言語の基礎パターンを学習しました。
GPT-2(2019年)
GPT-2は、パラメータ数を大幅に増やし(15億パラメータ程度)、テキスト生成能力が飛躍的に向上。高品質な文章生成が可能となり、その性能の高さから一時は完全公開が見送られるほどでした。
GPT-3(2020年)
1,750億パラメータを誇るGPT-3は、驚異的な多様なタスクへの応用を実現。APIとして公開され、多くのアプリケーションに組み込まれることで、自然言語処理の普及に大きく貢献しました。
Codex(2021年)
GPT-3をベースに、プログラミングコードの生成に特化したCodexが登場。GitHub Copilotなどのサービスで、自然言語からコードを生成する技術が実用化されました。
ChatGPT(2022年)
GPT-3.5を基盤とするChatGPTは、対話形式での自然な応答を実現。ユーザーとのインタラクションを通じて、実用的なコミュニケーションツールとして定着しました。
高度な推論とマルチモーダル対応への進化
GPT-4(2023年)
GPT-4は、前モデルよりもさらに大規模なデータとパラメータでトレーニングされ、複雑な推論能力と多言語対応、さらには画像入力の処理が可能になりました。これにより、幅広いタスクで高い性能を発揮するモデルとして評価されています。
o1モデル(2024年)
o1は、特に「チェーン・オブ・ソート(Chain-of-Thought)」と呼ばれる推論手法を採用。科学的問題やプログラミング、数学的課題など、複雑なタスクの解決において、段階的な論理展開を実現するモデルとして登場しました。
軽量化とコスト効率の追求
o3-mini(2025年)
o3-miniは、o1の後継として、無料ユーザーも利用できるモデルです。高速かつ低コストでの推論が可能となり、幅広いユーザー層にアクセスされることを狙っています。特に、日常的なタスクや一般的な質問への応答において、そのバランスの良さが評価されています。
o3-mini-high(2025年)
o3-mini-highは、o3-miniの上位版で、より多くの推論能力を投入しています。高度な科学的推論や複雑な問題解決を必要とするタスクに対して、より正確な応答を提供するためのモデルです。ただし、その分、計算資源を多く消費し、応答時間が長くなる傾向があります。
GPT-4.5(2025年)
GPT-4.5は、GPT-4の改良版として登場。感情理解やユーザーとの自然な対話に重点を置き、文章生成の品質や自然さを向上させています。コスト面では非常に高価なモデルですが、プロフェッショナル向けに高い精度と表現力を提供します。
モデル構造の違いと改良ポイント
これらのモデルは、いずれもTransformerを基盤としているものの、以下の点で異なります。
- パラメータ数とデータ規模
GPT-1からGPT-3、GPT-4に至るまで、パラメータ数は指数関数的に増加。これにより、言語パターンの把握と応答の多様性が向上しています。 - 推論プロセスの改良
o1やo3-miniシリーズでは、チェーン・オブ・ソート推論により、複雑な問題を段階的に解決するアプローチが採用され、数学や科学的問題で高い正答率を実現しています。 - マルチモーダル対応
GPT-4oやGPT-4.5では、テキストだけでなく、画像、音声、動画などの多様な入力を処理できるように、アーキテクチャが拡張されています。 - 計算資源とコスト効率
o3-miniは、低コストかつ高速な応答を実現するために蒸留技術などで軽量化され、GPT-4.5はその分、高い計算資源を要求する反面、出力の品質や自然さに優れています。
今後の展望と使い分け
OpenAIは、これらのモデルをタスクやユーザー層に応じて使い分ける方針を示しています。たとえば、日常的な質問や高速応答が求められるタスクにはo3-mini、複雑な科学的推論やプログラミング支援が必要な場合はo3-mini-highやo1、さらに文章の自然さや感情のニュアンスが重視されるクリエイティブなタスクにはGPT-4.5が適用されます。
また、今後はGPT-5への統合が予定されており、o3の技術がさらに拡張される見通しです。CEOのサム・アルトマン氏は、計算資源の逼迫やコストの問題から、段階的なモデルリリースと最適なツールの選択を推進する方針を示しています。将来的には、最新の推論能力とコスト効率を両立するモデルが広く普及することが期待されます。
まとめ
OpenAIのモデルは、初期のGPT-1から最新のGPT-4.5、さらには推論能力を強化したo1やo3-miniシリーズへと進化を遂げ、各モデルごとに用途や性能が明確に分かれています。Transformerアーキテクチャを基盤としながら、各モデルはパラメータ数の増加、推論手法の改良、マルチモーダル対応、そしてコスト効率の向上といった点で改良が進められてきました。
参考文献:
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